自走式立体駐車場とは、ドライバーが自分で車を運転して駐車する立体駐車場です。自分で運転する点が、駐車装置に自動車を乗せて入出庫する機械式立体駐車場と大きく異なっています。複数の階層で構成されており、スロープを使って階を移動していきます。自走式立体駐車場には、フラットタイプ・スキップタイプ・連続傾床タイプの3種類があります。
フラットタイプは専用のスロープと駐車スペースが平坦な床で連結しているため、ショッピングカート・車椅子・ベビーカーなどの移動が容易で、大規模商業施設や病院、集合住宅などで採用されています。一方スキップタイプは、駐車階を半階ずつずらしたタイプです。スロープ自体を短くできるので、狭い敷地でも対応できます。連続傾床タイプは床全体が緩やかならせん状になっているため、独立したスロープの必要がなく、収容できる車の台数も多くなっています。
そして自走式立体駐車場には、様々なメリットがあります。まず自動車の出し入れが容易で、入出庫の操作による待ち時間が少ないという点が挙げられます。また上階の床が下階の屋根となっているため、雨風や直射日光から自動車を守ることができます。外壁においては、法律で一定以上の開口率を取るように定められているため、津波などの被害を受けにくく、災害時の避難所としても利用可能です。
しかも平面駐車場に比べて収容率に優れており、階層を増やせば収容率も上げられるので、敷地の有効活用もできます。他にもランニングコストがそれほどかからない点も、メリットの一つであるといえます。